ホテル情報
ホテルを題材にした小説
昔から多数のホテルが小説の舞台となってきました。なかには、実在するホテルだけでなく、架空のホテルを舞台にした作品もあります。ここでは、その一部をご紹介します。
『マスカレード・ホテル』

2011年に、現代の日本を代表するミステリー作家・東野圭吾さんが発刊した長編ミステリー小説です。この作品は、集英社が出版している月刊小説誌『小説すばる』にて2008年12月から2年間連載していました。
モデルとなったホテル
小説の舞台となる高級ホテル「ホテルコルテシア東京」は、1989年に日本橋にて開業されたシティホテル「ロイヤルパークホテル」をモデルに描かれています。
あらすじ
「ホテルコルテシア東京」で、連続殺人事件の次の被害者が出る可能性が発覚し、主人公である刑事がホテルマンに扮して潜入捜査を行ないます。ミステリーとしての側面だけではなく、ホテルマンとして働くうちに、刑事としても成長していく主人公や、それを取り巻く人間模様が描かれたヒューマンドラマでもあります。
『プリズンホテル』シリーズ

浅田次郎さんのシリーズ小説です。1993年に1作目となる『プリズンホテル・夏』が上梓され、1997年までの間に、『プリズンホテル・秋』『同・冬』『同・春』が、1~2年程の間隔で刊行されました。
あらすじ
架空のホテルが舞台となっています。主人公唯一の肉親である叔父が経営する「プリズンホテル」は、ヤクザが経営する任侠団体専門の温泉リゾートホテルです。そこで繰り広げられる個性的なスタッフや宿泊者との出来事や、人間関係が描かれています。
様々なメディアの原作として
テレビドラマ、Vシネマ、漫画、舞台など、様々なメディアの原作としても使用されています。しかし、主人公の名前、性別、細かな設定などが大幅に変更されています。
『高層の死角』

推理小説、時代小説、ノンフィクションなど、様々なジャンルで活躍する作家・森村誠一さんによる推理長編小説です。第15回江戸川乱歩賞を受賞しています。
あらすじ
東京にあるパレスホテルの一室で起きた密室殺人事件を、主人公を始めとした刑事の面々が捜査します。容疑者である従業員のアリバイや事件のトリックが徐々に暴かれていく中での刑事の葛藤や苦悩、人間関係が描かれています。
物語の特徴
作者が日本を代表する「ホテルニューオータニ」でのホテル勤務を経験していたため、ホテル業界の内部事情がリアルに描かれています。また、ホテルならではのトリックや業界用語が多く使われている点が特徴です。